朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「いいの? 忙しくない?」
「通常通りだ。咲桜が都合悪くなければ」
「行く! たい!」
「いくたい?」
「行きたいが混ざりました!」
「元気だな」
「急に元気なった! ありがとうございます!」
「……やっぱ体育会系なんだな」
流夜くんが軽く笑った。
二人での食事のときも、向かいには座らない。
隣か、角を挟んで座る。
流夜くんのところで習慣になっているのだろうか。
笑満に言ったら不思議そうな顔をされた。「正面から見たくないの?」と。
勿論真正面から見ていたい。
こんなカッコいい人、絶対いないし。
でも、なんとなく――隣がよかった。
今日も角を挟んでの、食事。
「どこ行くとか、訊いてもいい?」