朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
side咲桜
「笑満」
一限が終わって、すぐに笑満に寄った。
「なにあった?」
声をかけると、笑満の肩が震えた。
そしてのろのろと顔をあげる。
唇を真一文字に結んで、私を見上げて来た。
「は……おとくん、怒らせたかも……しれない………」
「―――頼」
「うー?」
頼がむくりと机から顔をあげた。
「遙音先輩んとこ行くよ。写真許可する」
「わーい。笑満―、オトをシメるのは任せろ」
「ちょ――」
頼も立ち上がったのを笑満が止めようとしたそのとき、勢いよくドアが開いた。
「邪魔する」