朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
side笑満
「よかったね、王子様迎えに来て」
二限目の始まる前に教室に帰れたあたしは、咲桜ににやにやしながら言われた。
「そ、そういう言い方しないの!」
「えー、だってあれはどう見てもお姫様攫ってく王子様じゃん」
「夏島先輩ってスポーツやってたっけ? 軽々と! だよね!」
「びっくりし過ぎて笑満羨ましすぎんだけど!」
クラス中の女子が集まってきた。恥ずかしさが臨界点なあたしは小さくなった。
ちなみに遙音くんは、小学生当時はバスケをしていたけど、今は龍生さんに師事して柔道や剣道の武道の方をやっていると聞いた。
「ねー日義―。姫抱っこの写真撮らなかったの?」
「あったらほしい!」
「な、何言ってんの!」