朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
side咲桜
「は、遙音くん楽しそうだね」
「そりゃあもう。笑満ちゃんから言質取れたし?」
「彼女に言う言葉じゃないですよ。訂正してください」
「妬いてんのか? 王子サマ」
帰り道が何故か三人だった。笑満と遙音先輩と、分かれ道までの短い時間。
帰りがこのメンバーになったのは初めてだった。
「別に妬きませんけど」
私は憮然と返す。
遙音先輩が笑満に対して俄然余裕綽々なのは、どこか気に喰わない。
でも、そう思う理由もわからない。
話題ずらすか。
「先輩って、龍生さんとこにいたんでしたっけ?」