朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】


うん、と先輩は肯いた。


「施設出てから、中学出るまでは。匿ってもらったって言った方が正しいかも」


「連れ戻されたりしなかったんですか?」


「施設の人が来たけど、二宮さんや神宮が間に入ってくれた。そんで今でも結構頭あがんないわけ」


「流夜くんの相棒って誰なんですか?」


「それは――……俺が知りたい」

 
一気に先輩の声が冷えた。


「知らないんですか?」


「知らねー。つーか誰も教えてくんねー。宮寺は知ってる人間自体少ないって言うし」


「宮寺先生は知ってんですね……」
 

としたら、当然降渡さん吹雪さんは知っているだろう。


三人の間に秘密は意味なしと言っていたし。


「それって、降渡さんや吹雪さんじゃないんですか?」


「違うらしい。神宮が留学してっときに向こうで顔見知りになった、てとこまでは知ってるけど」
 

留学というと、中学のときのやつかな?

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