ひだまり

佐藤さん

「ねぇ…先生。……………何か分かった?」



季節はまた一つ進み。

気の早い街並みは………

幼稚園かと見まがう程の可愛い飾りつけで賑わってる。

遠足、運動会、お遊戯会と行事を終えて

いまはお餅つきの用意中。

寒い園庭のど真ん中で、明日の杵と臼を並べる。

男がほとんどいない幼稚園では……若い先生が力仕事を担当する。

重さのためだけに出来たのではない……眉間のしわ。

ここに集まる5人には………くっきり浮かんでいる。

彼女を除いた四人とオレの眉間に…。



事の起こりは……………

よくわからない。

情けない話だけど、ここにいる全員………

いつ、どこで、何があったのか…………分からないのだ。

分かっているのは………

彼女がまた何か溜め込んで………苦しんでいるということ。

後は…………

多分だが、小型バスの佐藤先生が絡んでいるということ。

元々、佐藤先生に良いイメージを持っていない。

彼女が何故かなついている……と言うのは置いておいて。

若い先生達を見る目が……あまり良くない。

園の先生達はみんな何となく警戒して避けているのに………

男が苦手な彼女だけが…自然に会話していた。

それが……この間の当番から、避けるようになってきた。

始めは…『やっと彼女も気づいたかぁ~』と安心していたのだが……

避け始め出してから……みるみる痩せてきた。

元々食が細いから、ちょっと何かあると直ぐに落ちてしまうが…

大きな行事を2つ終わった今、こんなことになるのはおかしいと

みんなが心配している。

今相談している5人はもちろん、園長、主任……他の先生達も

みんな気づいていて………

相談中の今は………

彼女を主任が担当している。
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