ひだまり
「あの……。
佐藤先生も本気ではないと思うので。
…………あの…………無視します………。」と……………

本気ではない!?

あんなに怯えて……

これ程痩せて。

バカか??

イライラするな!と…もう一人のオレの声が……

遠くで聞こえる。

「何でアイツを庇うの?!
そうやって、ニコニコ笑ってやり過ごすからつけこまれるんだ!!
されてる事分かってる??…………セクハラだよ!!
危機感が無さすぎ!!
…………………………嫌なことは嫌って言いなさい!!」

ミラー越しに確認すると………

やっぱり………泣いた。

まぁ~。………………泣くよなぁ。

かなり怒ったし……………。

これだけ言えば………分かったはずだよね?

もう………庇わないよね??

「ねぇ~先生。
何でそんなに………アイツを庇うの??
先生は、困ってるんでしょう?
オレには、先生のしてる意味が…分からない。」

本当に分からない。

何が彼女をそうさせるのか…………

まさか………不倫のカップルの痴話喧嘩って訳でもないし………。

聞かないと………先に進めない以上……

どんなに泣いても、時間がかかっても

答えを聞くまで動く気はなかった。

…………………………………………………………………。

長い長い……沈黙。
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