ひだまり
泣き声がおさまり始めた頃

「佐藤先生に……小さいお子さんがいるのを……ご存じですか?
奥さんもまだ若くて………私と変わらないんです。
お腹に二人目の赤ちゃんもいて……………。
先生は………佐藤先生の上司です。
もし、先生が注意して……ここに居ずらくなったら……。
あの年齢で、再就職を探すのは……大変だと思います。
庇うというより………
奥さんとお子さんを思うと…………。
佐藤先生には『これ以上するなら…上の先生に相談します。』って言います。
だから…………今回は……。」

つくづく…………彼女はバカだと思う。

バカがつくほどの…………お人好し。

自分がこれ程苦しめられているのに………

アイツの家族を思って庇う。

……………………おまけに

オレにまで……お人好しのマネをさせようとして…………

どうしようもない。

「もし、それでもダメなら……オレに言って。
……………………力になるから。
先生が困ることはしないから……安心して頼って。」

あぁ~あ。

この純粋な女の子を…………好きになったから…

仕方ないのかなぁ~

……………………降りたら何て説明しよう…………。
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