ひだまり
「賢一君、良かったね。
じゃ、またね。
今度は…先生になってから一緒に遊ぼうね。」

彼女の言葉を遮り

「違うよ!悠は先生だよ。ねぇ~もっと遊ぼうよぅ~」と抱きついてるケン。

………………オレは半年かかったのに……数時間?

何か分からないライバル心が芽生えた頃

「……………………先生??」と驚いた彼女。

「あっ!あの……えっ………。
えっと…すみません!あの……。」って…テンパってる。

おもしろ。

思わずイタズラ心が顔を出す。

「先生らしくなくてごめんね。」

オレの言葉に益々焦って

「あっ…いえ……そんな。失礼なことを……すみません。
あの……お帰りって…賢一君が言ってたから……あの…。」って…

可哀想なくらいオドオドしてる。

「ウソです。
オレは、事務仕事とバスの送迎を任されてる
森 悠人です。
一応、教員免許もあるから…クラスのフォローにも入ってます。
4月から関わりも多くなると思うから…よろしくね。」って挨拶すると

「あっ…伊藤 唯です。
4月からこちらでお世話になります。
2週間後の実習の説明を聞きにお伺いしたんですが…
帰りに賢一君と出逢って……遊んでました……すみません。」

頭を下げる彼女に

「子供好き?」って…

先生に憧れる人には当たり前の質問をしてしまったが…

「はい!大好きです。」と答えた彼女は…

先ほどのオドオドした姿はなく

清々しいほど純粋な笑顔を見せてくれた。

オレが言われた訳でもないのに……

思わずドキドキするほどの笑顔で……
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