ひだまり
………………そして………一番の悩み。

それが、この間の彼女だ。

履歴書にもあるように…

彼女は、ボランティアで障害のある子供と過ごしたり

託児所でバイトをして、赤ちゃんから年長までの沢山の子供たちと生活していたりと

かなりの経験があるらしかった。

ケンの扱いが上手いのも納得していたのだが…………

とにかく自己採点が極端に低く自信がない。

この仕事は……新人のうちは、保護者に生意気にうつるより

彼女のように母親達が子育ての先輩として先生を育てるくらいの方が

上手くいくのだが…

そうは言っても限度がある。

大切な我が子を預ける先生が本当に頼りないと

不安が爆発して……苦情に変わる。

集団のママ達は、とても怖く

一度イメージをもってしまうと……徹底的に攻撃することがある。

彼女の子供を思う気持ちや優しさは、先生としてとても向いていると思う。

それだけに……伸ばし、育てたいと思うのに……

彼女のその優しさが邪魔をして…上手くいかない。

「唯先生。もう少し大きな声で話さないと、子供のパワーに負けますよ。
後、もう少しオーバーアクションの方が良いですねぇ~
『おはよう』と声だけよりも、抱きしめたり体に触れた方が
スキンシップがとれて、印象も変わりますよ。」

「あっ………はい。……すみません。」

「…………………………。」

どう指導したらいいんだ??

オレが嫌いか??

俯く彼女の頭を見ながら……訳も分からない、イライラを募らせる。
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