ひだまり
「ちょっと先生、どういうこと!!」

スゴい剣幕で話すのは、5人の中で一番気の強い海晴先生。

今日は5人で集まって鍋をつつくと嬉しそうに話していたのに……

彼女の携帯から流れる声は、オヤジの怒鳴り声だと思った。



昨日の電話で、『一緒に恋を見つける』約束をしたオレは

内緒にしていた

"電話をしてる事"と"ホントの恋を一緒に探すこと"を

四人に話して良いと伝えた。

そうして今日の鍋パーティー。

胸におさめておくことが苦手な彼女は…

かなり早い段階でしゃべったらしく、まだ仕事を頑張っていたオレのもとに

海晴先生の大きな声が届いた。

大きな園を束ねる園長…………。

さすが、自分の部下の声は分かるらしく………

ニマニマ笑いながら

『この後飲みに行くよ!』とメモを滑らせてきた………。

はぁ~っ………。

つい出たため息に、ますます激怒する海晴先生を宥めて

『彼女を守る気持ち』と『決心』を伝えた。

見守るのではなく…守りたいと伝えると

「分かった、協力する」と力強い答えが返ってきて、後ろで待機していた他のメンバーも

口々に『がんばれー』と応援してくれ…納得してくれたのだと安心する。

いつか付き合える時がきたら……

オレがまず初めに

『彼女を下さい。』と言わなければいけない…彼女の大切な人達だ。
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