ひだまり

ホワイトデー

「ねぇ~先生。ちょっとちょっと。」

車を止めて裏門に歩いて行くと、お目当ての先生を発見。

直ぐに呼び止めて、駐車場に逆戻り。



今日は3月14日………ホワイトデー。

女の子達がソワソワする日。

ウチの園も、毎年大騒ぎだ。

女の子達は……1ヶ月前にあれほど騒いでチョコを渡し

今度は…貰うためにまた、大騒ぎしている。

ホントにイベントが好きなようだ。

ただ、今年はオレも他人事ではない。

渡したい人がいるのだ。



先週末、休み返上で買いに行った贈り物。

最近のイベント商戦は……ホントにスゴい!!

昔から聞く、クッキーやキャンディーはもちろん。

化粧道具や文具……下着まで置いてあり、びっくりした。

甘いものが苦手なオレは、近くを通った店員さんに

「とにかく、有名メーカーで見栄えが良く……大きくて、美味しくて
文句の言われそうにないのを……………4つ下さい。」と言うと

「お仕事、大変ですね」と笑われた。

そう、今日は四人のホワイトデー用のお菓子を買いに来たのだ。

可愛い彼女の……ではなく、あの四人用に。

チョコは、もらっていないのだが……それは………大人の事情で。

彼女に告白するには………まず十分な根回しが必要なのだ。


こうして、当日オレは……駐車場にいた海晴先生を捕まえて

『いつもお世話になってます』と大きな紙袋4つを渡した。

ホクホクで

「悪いね!」

「チョコより良いものあげるんだもんね」と

今日の告白を、チャラにしてくれることになった。

とりあえず、お許しも出たことだから……

後は……仕事終わりを待つばかり。


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