僕達は透明ーー
「貴方、もしかして………そらちゃん?」



えっ……なんで、私の名前。


あたしは、頷いた。


「ゆうに、会いに来てくれたの?」



「あたしとゆうは会ったこと、あるんですか?」



少し驚いた顔をした女の人は、少し悲しそうに目を伏せた。



「そうよね、あの時貴方もまだ小さかったし覚えてないわよね。


ゆうは、小さい時から体が弱かった。


貴方に出会って、ゆうが、明るくなった。


10歳まで生きられるか分からない命は、、


今は16歳よ。


"奇跡"なのーーーーーあの子が生きてるのは」



ーーーーーーーーーー



ずっと小さな時から、俺はここにいた。



真っ白いカーテンに、真っ白いベット、ツン、とした薬品の臭い。


ベットの中で眠る僕を見た。



「もうすぐ、サヨナラしないとな。


そらに気づいて貰いたかった。

君と僕は、会ってたんだって………


僕は会いに来たんだよ、そらに…………」



僕は僕を見た。


少し歪んだ僕の顔。


急速に下がる、鼓動。

うずくまる。


「そら…………


早く、会いに来てっ」



涙が頬をかけた。


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