隣 の セ ン セ イ 。
雨音「え…っと、ごめん、理解できない…


え?…浮気は、してなかったの?」


恭弥「…俺は雨音より薫さんが好きなんだ」


怜太「……ちょっと待てよ、黙って聞いてりゃさっきから!!



結局先輩が言ってることは、全部自分のことだけを考えた利己主義な言い訳じゃねえか!!!



いままでどんだけ雨音が先輩のこと──」



雨音「怜太っ!!!



……もう、いいから。ありがと。」





納得いかないというように顔をしかめた怜太を




目線でなだめてみる。







花純はどうしていいのか分からないみたいで、



さっきからずっと下を向いたまま顔を上げない。






雨音「恭弥の気持ちは分かった。



どうせ私達別れてるんだし、



好きにすればいいよ。



……私には、関係ないからねっ」









ピースサインをして元気を振りまいてみる。





そうすればこの場の空気が明るくなると思ったから。






………なのに、




私の心持ちはまるで晴れず、



それが影響しているかのように重く沈んだ空気は変わらない。







雨音「…外の空気、吸ってきます」







耐えかねて、私は店を出た。
< 12 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop