隣 の セ ン セ イ 。
──好きな人なんて、

   そんなの言わなきゃ
   
     バレなかったのに───




それでも私に白状してきたのは





きっと恭弥なりに罪の意識か何かがあったからなんだろう。






一人になった途端、





目頭が熱を帯びた。







雨音「うわ…私めんどくさい女になっちゃうよ…っ、」



凌介「めんどくさくはないんじゃない?」







ふと、真横から声がした。





慌てて顔を上げると、そこにはスーツ姿の紡木さん。







── 仕事は?



── 昼休憩。






はぁ、と息を吐いて




そっと私の横にしゃがんだ。






どこにでもある小さなカフェの前に座り込む、



カフェの制服を着た店員とスーツ姿の男。






…もしかしたら端から見たとき、




スーツ姿の紡木さんが私をナンパしているか泣かせたように見えるのかな








雨音「…ふっ(笑)」


凌介「何笑ってんだよ」


雨音「カフェの店員をナンパする人みたい、紡木さん。(笑)」


凌介「はぁ?!お前なあ、、、、」








なぜか、



いつも紡木さんといるときは笑っている気がする。






……気のせいなんかじゃない。







紡木さんといるときが、





一番自分らしくいられる時間のような気さえしてきた。
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