イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる
「分かった。
じゃあ、あと、30分くらい待てる?
急いで残ってる仕事を済ませてくるからさ。
このビルの中にカフェもあるしお洒落なショップも入ったりしてるから、30分くらい時間潰せるか?」
私は笑顔で頷いた。
トオルさんは私の頭をなでなでしながら愛してるよって囁いて、この場を後にした。
私はトオルさんに教えてもらったショッピングフロアに行く事にした。
何基もあるエレベータの中から下の階のフロア専用のものを探していると、背後で誰かが私の名前を呼んだ。
「中山さん?」
私は呼ばれた方に振り返ると、そこには超がつくほどのイケメンが私を見て手を振っている。
それも二人…
「あ、やっぱりそうだ。
あ、突然、ごめんね、トオルの奥さんだよね。
今、そこで、トオルと話しているとこ見かけたから」
一人のハーフ系イケメンは目が眩むほどの美男子でトオルさん並みにスーツを着こなしている。
そして、もう一人のラフな格好をした学生風のイケメンは、ちょっと髪のボサボサ感が母性本能をくすぐる癒し系タイプだった。