イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる
「あ、初めまして…
中山加恋といいます…」
私は声を出すのも恥ずかしかった。
そうなってしまうくらいに、このイケメン二人は目立ち過ぎる。
「そっか…
どおりで、トオルが内緒にする理由が分かったよ。
こんなに若くて美人さんなら、誰にも紹介したくないよな」
ハーフ系イケメンはそう言いながら、私の事をジロジロ見ている。
「ごめんね、ちなみに歳はいくつ?
あ、その前に、僕はトオルと同じ職場で働く堀江映司と言います。
よろしくね」
私はとりあえず頭をちょこんと下げた後、二十歳ですと小さな声で答えた。
ヒュ~~と、映司という人は面白そうに口笛を鳴らす。
「明智くん、俺、先に行ってるね。
あ、加恋ちゃん…
トオルに早く下りてくるように言っとくから」
映司さんはそう言うと、私にウィンクをしてエレベーターの中へ消えて行った。
そして、残された明智君も私の事をジロジロ見ていた。