イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる
トオルさんは私の言葉に何とも言えない笑みを浮かべる。
そして、腕に絡み付く私の頬にさりげなくキスをした。
「最近できた高層ビルの屋上にイギリス式庭園を再現してて、その庭を一人占めしているカフェがあるんだって。
英国式のお店でそこのアフタヌーンティが有名らしい。
行ってみる?」
「うん!」
私はトオルさんの腕に絡み付きながら、スキップをした。
こういう急なデートもまた違った楽しみがある。
お互いの知らない部分が見えたりして、また更に大好きになるから。
「でも、何でそのお店の事を知ってたの?
私でさえ、あまり知らなかったのに…」
トオルさんはしたり顔で私を見た。
「情報通の部下がいるんだ。
そいつは全てにおいて知らない事は何もない。
俺がちょっと相談したら、絶対にこの店がいいって。
そう言いながら、個室まで予約を入れてくれたよ。
本当に役に立つんだ…」
「明智君でしょ?」
あ、ヤバい…
トオルさんの顔がピクピクするのが分かった。
「あ、ちょっとだけ自己紹介されたの…
その時の印象が、そんな感じだったから」