イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる
明智君が予約してくれた個室は、何とも可愛らしいおとぎ話に出てくるようなお部屋だった。
窓の向こうを見るとピーターラビットがぴょんぴょんと跳ねていそうなそんな雰囲気を醸し出している。
「加恋ちゃん、すごく気に入ったみたいだね」
トオルさんも嬉しそうだ。
そして、私達が到着すると、すぐに豪華なアフタヌーンティのセットがやってきた。
「全て明智君の手配なんだ。
あいつは本当に抜け目がないな」
トオルさんはそう言いながらも嬉しそうだ。
私は、明智君の優しい笑顔を思い出していた。
もし、トオルさんと出会わなかったら、もしかしたら明智君の事を好きになってたかも…なんて、イケない事を考えながら…
私はスコーンや果物をお腹いっぱい食べ終わると、紅茶をグイっと飲み干した。
よし、トオルさんに告白しよう…
本当は人混みを歩いている時にと思ったけど、こんな可愛らしい空間で話す方が頭に血は上らないと思う、たぶん… きっと…
「トオルさん、聞いてほしい事があるの…」