イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる
俺は用件を済ませると、そそくさとモデル事務所を後にした。
早く加恋を家へ連れて帰りたい。
加恋は車に乗る前に酔い薬の薬を飲んでいた。
そんな姿を見るだけでも、心配で居ても立ってもいられなくなる。
家に着くと、俺はすかさず加恋を抱っこした。
靴を脱がせて、首筋にキスをしながらソファに連れて行く。
大きめのソファにゆっくりと寝かせると、俺は加恋の髪を撫でた。
「具合は? 大丈夫か?」
加恋は恥ずかしそうに笑った。
「もう大丈夫だから…」
俺はそんな加恋が愛おしくてたまらない。
愛し過ぎて、好き過ぎて、涙がこみ上げてくる。
「…俺、加恋ちゃんが死んだら、生きていけない」
加恋はプッと笑った。
そりゃ笑いたくもなるか…
恋に支配された30男は、そんなくだらない事を真剣に思ってるんだから…