イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる
「疲れがたまってるだけだよ…
こんなの日常茶飯事なんだから、トオルさんも早く慣れなくちゃ」
いや、慣れない…
これが日常茶飯事なのなら、俺がその体を健康にしてやるよ。
とは、思いながら…
「加恋ちゃんが具合が悪そうなだけで、俺は心配で頭がおかしくなる」
俺はそう言いながら、そのソファに横になった。
無理矢理、加恋の隣に体をねじ込みながら。
「もう、トオルさん、狭いしきついよ~」
加恋は俺の体を押しながら笑っている。
俺は加恋を後ろから抱きかかえ優しく包み込んだ。
「具合が悪かったら、学校も休んでいいんだからな。
何なら、俺も会社休むから…」
加恋は体を俺の方へ向け、俺の頬を優しくつねった。
「トオルさん、過保護厳禁ってこの間約束したでしょ?」
俺は5歳の坊やみたいに拗ねて首を横に振る。
「加恋ちゃんが具合が悪い時に、過保護厳禁だなんて、そんなの無理だよ。
俺の方が寝込みそうだよ」
加恋はまた笑った。
俺はそんな加恋の緩んだ頬にキスをする。
「お姫様、今日の夕食は、どうされますか?
トオル特製の野菜たっぷりお粥か、トオル特製の野菜たっぷりスープか」
「え~、どっちも野菜たっぷりなの~?」
俺はそんな事を言う加恋を強く抱きしめた。