イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる
俺は加恋の胸の中に顔を埋めた状態で、加恋の香りを大きく吸い込んだ。
残念な事なんだけど、やっぱり俺だけの加恋ちゃんでいてほしい。
赤ちゃんにだって渡したくない…
でも、俺はそんな本音を心の奥に仕舞い込んだ。
そんな事を口に出したら、ただのガキで、救いようのないアホで、世間一般では学歴は高いけれど人間として欠陥だらけと言われるだろう。
だから、言わない…
本音はこうだとしてもね…
「加恋ちゃん…
妊娠したからって、加恋ちゃんを抱くのは大丈夫だよね?」
俺は加恋ちゃんの答えを聞くまでもなく、加恋の首筋にキスをする。
この滑らかな肌も、甘ったるい匂いも、俺にピッタリあった体も感性も、何があってもやっぱり俺だけのものだ。
俺は息も絶え絶えでキスをする。
だって、今日の加恋は、何だか違う。
母になった自信と愛情に満ち溢れている。
輝かしいとは、きっと今の加恋の事だと俺は思った。
母になるって悪い事じゃないかもしれない…
加恋のまた違った魅力が、俺の五感を刺激して、新しい喜びへと導いてくれるように。