イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる
エピローグ
十月十日とは早いもので、加恋の妊婦生活もそろそろ終わりを告げようといている。
その間の俺の生活というのもは、目まぐるしいほど忙しかった。
私生活においてはもちろんの事、仕事関係もやるべき事が多過ぎて、はっきり言って今の俺はクタクタの状態だ。
俺は約一年の育休をもらう事にした。
社長のソフィアは、俺の好きなようにしていいと言ってくれた。
だが、しかし、俺の抱えている仕事に関しては、自分が在宅で続けるか、あとは誰かに引き継ぐか、完璧な状態で何一つ変わる事なく続けて行く事が条件だった。
一つ嬉しい事があった。
バイトの明智君が、完全にEOCの人間となった事だ。
そこで、俺とソフィアの意見は合致する。
明智君に俺の抱えている仕事の半分を引き継がせる事だ。
彼は非常に有能で完璧で、それでいて人の心を簡単に掴む術を身につけている。
加恋の出産予定日を睨みつつ、俺は明智君に完璧に仕事を伝授した。
俺を頼っていたクライアントも、育休を取る俺の事を温かく送り出してくれた。
いや、その前に、皆、明智君を大好きになっていたのが、本当のところだけど…
という事で、俺は育休に入った。
一週間後に、加恋の出産が迫っている。
迫っているのに、俺って、何一つ成長していない。
マジで、ヤバい…
どうなるんだ… 俺?