誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

「あの……どうして」

 小春としては、また椅子に座って、話をするつもりだった。もう逃げたいとは思っていないのだから、ちゃんと最後まで自分の気持ちを説明できるはずだと思ったのだが――。

 閑はそんな小春の言葉を遮るように、はっきりと言い放った。

「とりあえずーーゴム買ってくる」

 今、閑はなんと言っただろうか。

「え……?」

 目を点にする小春に向かって、

「小春ちゃん、持ってないでしょ。コンビニ行ってくるから、いい子にして待ってて。あ、あとね、個人的にはベッドじゃなくて、布団のほうが助かる。俺、シングルベッドだと、たぶんめちゃくちゃ頭ぶつけるからさ」

 スラスラと、閑がそんなことを言い始めて、意図がわかった小春の顔は、真っ赤になってしまった。

(ごむ……ごむ……ゴム!?)

 一般的に、ゴムと言われるものと言えば、いわゆる避妊具だ。

 彼は今から、小春を抱くと言っているのだ。

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