誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

「どんな君を見ても、俺のこと好きで、こうなってるんだろうなぁと思うと……いちいち嬉しくて……テンションが上がった」
「そっ……そうですか」

 その瞬間、閑にふさふさの尻尾がついていて、ブンブンと左右に触れるイメージが脳裏に浮かぶ。
 シベリアンハスキーか、ゴールデンリトリバーか、とにかく大型犬だ。

(テンションって……。閑さん、ちょっとかわいい……かも)

 いったいどんな反応をしていいかわからず、若干戸惑ってしまったが、閑は相変らず上機嫌だ。そしてぎゅっと後ろから小春を抱く腕に力を込める。

「君は俺の宝物だ。大事にする」
「閑さん……」

 大事にすると言われて、小春は嬉しくなった。

 自分には、こんな素敵な人に大事にしてもらえる価値があるのだと、泣きたくなった。

「俺さ、仕事……忙しいし……不在がちだけど……」
「はい」
「努力するから……できるだけ、一緒に……いようね……」
「――はい」

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