誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
「閑さん……」
ごはんに大根のお味噌汁、塩サバ、卵焼きの朝ご飯を作った小春は、また二階に上がって、眠っている閑に声をかけた。
本当は昼間で寝かせてあげたいところだが、そうすると夜寝られなくなるだろう。それに昨晩は、食事もとっていないはずだ。
朝ご飯を食べて、シャワーを浴びれば、すっきりすることだろう。
小春は裸の閑の肩に、そっと触れて、揺らす。
少しひんやりして冷たい。やはり熱いシャワーを浴びたほうがよさそうだ。
「閑さん、朝ですよ」
すると閑の鳥の羽のように長いまつ毛が、ぴくりと揺れて、ゆっくりと持ち上がった。
少し明るい色の目が、小春にぼんやりと向けられているが、どうも反応が鈍い。
「――あ……さ?」
「はい。朝ですよ。起きられますか?」
「――むり……」
そう言って、閑のまぶたがまたゆっくりと降りていく。
「あ……」
(まさかの二度寝……!)