誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 無理と言われるとは思わなかった小春は、目をぱちくりさせながら、ベッドに腰を下ろす。

「お疲れなのはわかるんですけど、寝すぎると今晩寝られないですよ?」
「うーん……」
「お仕事に差し障ります」

 そう言った瞬間、閑はすっきりと伸びた美しい眉頭をギュッと寄せて、「ううう」とうなり声をあげた。

「まごうことなき、正論だ……言い返せない……」
「いや、そんなたいそうなことではないんですけど」

 小春はフフッと笑って、顔を近づける。

「ね、起きてください」
「じゃあキスしてくれたら起きる」
「――えっ」

 まさかの不意打ちのおねだりに、小春はビクッと肩を震わせ硬直してしまった。

「キスって……」

 頬にどんどん熱が集まる。

「してくれないの?」

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