誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 そう言いながら、閑が片目だけ開けて、どこか楽し気に小春を見あげる。

「だって……」

(恥ずかしい……)

 長い間、こじらせていた思いが成就したのだから、もっと積極的になればいいのかもしれないが、それが出来たら苦労はしない。

 小春がうつむくと、閑は横たわったまま、小春の頬に手を伸ばす。

「かわいいな」
「え?」

 なぜ今この段階でかわいいなどと言われるのか、皆目見当がつかない。

 きょとんとする小春を見て、閑はふふっと笑い、そのまま手を首の後ろに回し、小春の体を引き寄せる。

「恥ずかしがる君も、かわいい。本当に、なにしてもかわいいな……」
「え、あっ……」

 気が付けば、そのままするりと、ベッドの中に引きずり込まれ、閑に押し倒されていた。


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