誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
ここが閑のマンションであれば、また違ったかもしれない。だが、間借りしている身分の自分としては、だらしないところを家族同然の大将に見せたくないのだ。
そんな小春の気持ちが伝わったのか、
「はぁ……わかった」
閑はしぶしぶといったようにうなずき、それからゆっくりと上半身を起こす。背中や腰を覆っていた毛布がずり落ちて、半裸の体があらわになった。
朝陽を浴びてつややかにきらめく閑の体は、まるで石膏像のように美しいが、小春には刺激が強すぎる。
いくらそういう関係になったからと言って、いきなり好きな人の裸に慣れるはずがない。
「っ……!」
それを見て小春は息を飲み、両手で顔を覆って叫んでいた。
「浴室に着替えも用意していますので! シャワーを、浴びてくださいっ!」
「そんな強く拒まなくても」
「だって、だってっ……」
言葉が出てこないが、どんどん自分の顔が赤くなっていくのが分かる。
(絶対私、耳まで真っ赤だよ~!)