誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 だがいつまでもここで悶えているわけにはいかない。

「とりあえず目先のことを片付けなくちゃ……」

 ベッドのシーツをはぎとり、昨晩閑が脱ぎ散らかしたスーツをハンガーに掛けたあと、階下に降りて、シャツや下着、その他をシーツと一緒に洗濯機に放り込む。

 そして味噌汁をもう一度温め直していると、

「さっぱりしたー」

 と、閑が調理場に姿を現した。

 白い長そでのカットソーに、スウェットパンツだが、スタイルがいいので、そんな適当な格好でもびっくりするほど見栄えがよかった。

「あ、奥のちゃぶ台に用意しているので、座って待っててもらっていいですか? 暖房も入れてます」

 調理場の奥に続きの和室があって、ちゃぶ台にはすでに卵焼きや魚が、並べてあるのだ。

「わかった。なにか運ぶものがあるなら、持っていくよ」
「じゃあこれ、お願いします」

 小春は手早くお味噌汁を椀につぎ、お盆にのせ、手渡しする。

「あ、大根のお味噌汁だ。うまそう」


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