誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 返事がきたことにはホッとしたが、体調を崩したというのは心配だった。

(大丈夫かな……無理してないかな)

 とりあえず駅前のビジネスホテルに泊まっていることを告げると、徒歩圏内のコーヒーショップを指定された。
 時間は約二時間後だ。チェックアウトしてからで十分間に合う距離である。

「よし……」

 ほっとすると同時に、少しお腹が空いてきた。
 昨日はとても物を食べる気にはならなかったのだが、これも少し気分が持ち直してきた証拠だろう。

「とりあえず、朝ご飯食べよう」

 ホテルの一階にカフェが併設されていたはずだ。小春はバッグを持って、元気よく部屋を飛び出していた。




 そして待ち合わせのコーヒーショップに、時間通り向かうと、ガラスの窓越しに先に着いている美保の姿を発見した。
 小春はガラスを軽く外からノックする。


< 234 / 310 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop