誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
「それで、誰と会ってるんだろうって気になってたところで、友達が見たって言うの」
「なにをですか?」
いやな気配を感じながらも尋ねると、
「真夜中にね、佑二さんが、すっごい美人とホテルで会ってたって」
「ホッ……!?」
思わず大きな声がデカかった小春は、慌てて手のひらで口元を押さえた。
とても昼間のコーヒーショップで大きな声で口にしていい単語ではない。
「えっ、どういうことですか?」
「あっ、そういうホテルじゃなくて!」
美保も小春の驚きぶりに気が付いたらしい。慌てたように首を振った。
「ほら、駅前のシティホテルよ。最初はバーにいたらしいんだけど、ふたりでそのまま出て行ったって」
「駅前の……」
よくよく聞いてみれば、小春が止まっていたホテルよりランクが上の、シティホテルの名前だった。だが、ホテルには違いない。バーを出た後は、部屋に行ったのではないかと、考えてもおかしくない。
「で、お父さんはなんて答えたんですか? 誰と会ってるか聞いたんですよね?」