誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
そんな君が大好きだよ
美保と別れた後、小春はひとりコーヒーショップに残り、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
窓の外はきれいな青空で、きっと夜は星が美しいだろう。
だが一緒に星を見たいと思う男性は、今近くにはいない。
(どうしたらいいのかな……)
せっかく大好きな人と気持ちが通じ合えたと思ったばかりなのに、突然降ってわいたような両親の離婚話に、小春は完全に振り回されていた。
(でもこのまま帰るっていうわけにもいかないよね……)
小春ははぁ、とため息をはき、それから頬杖をつく。
だがいくら問い詰めたところで、父が正直に答えるとは思えない。となると、どうやって父と美保の関係の修復は難しい。
(こんな時、閑さんがそばにいてくれたらなぁ……)
電話で相談できるし、するつもりだが、やはり彼のぬくもりを近くで感じたいと思ってしまう。
だが閑はここにはいない。
なんとかして自分で自分の問題を片付けなければならないのだ。