誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 目を白黒させる小春に、閑はクックッと肩を揺らして笑い、首を横に振った。

「真面目だなぁ。そうじゃないって」

 そして閑は琥珀色の明るい瞳を甘やかにきらめかせながら、ささやく。
 どうやら彼が言う報酬は、自分が思っていたのとは違うらしい。

「と、言いますと?」
「成功報酬は、君の未来」
「みら……い」
「そう。これから先の小春の未来が、全部欲しい」

 その瞬間、心臓がドキンと跳ねる。

 未来を全部――。
 聞きようによっては、まるでプロポーズのようではないか。

 まだ付き合いだして日が浅いと言うのに、まさかそんなことを言われると思わなかった小春は、驚きのあまり声も出ない。

(本当に、そんなことを考えてくれているの?)

 もちろん、いつかそうなれたらと思わないでもないが、まさか閑が本気で考えてくれているとは思わなかった。
 心臓の鼓動はどんどん早まっていくばかりだ。

「言葉通りだよ」

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