誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
「あけましておめでとうー」
「おめでとう!」
「大将、元気でな~」
「よいお年をー!」
日付が変わり、新しい年が来る。
慌ただしくもあるが、いい年明けだ。
店はこのまま朝まで開けておくらしい。年内で閉店はどうしたと思わないでもないが、朝が来るまでは年内だと訳の分からない理論で、大将は通すようだ。
そうなったら小春としても、朝まで手伝うつもりでいたのだが、「小春ちゃんはいいよ」と、大将に言われ、なかば追い出されるようにして帰ることになった。
気になる佑二だが、いつのまにか大将や常連客に相当な量を飲まされていたらしく、テーブルに突っ伏している。
「お父さん……もう潰れちゃってるじゃないですか」
これでは皿を洗うのも無理に違いない。
やはり残ったほうがいいのではと口にする小春に向かって、
「小春ちゃん、気にしないで。佑二さん、小春ちゃんが働いてる姿、見たかっただけなんだから」
そう助言してくれたのは美保だ。
「こないだ会ったばかりじゃない」
小春が笑うと、美保もうなずく。
「それでもやっぱり、気になるんでしょうね。でも、元気だったらいいのよ。じゃあまた今度ね」