誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~

 なんということもない、近況を尋ねてくる定期連絡だったが、ここ最近ずっとバタバタしていたので、まともに話をしていない。

(大丈夫だよ、元気だよっと……)

 メッセージが届いていたのは、地下鉄に乗っていた時間なので気づかなかったらしい。

 小春はポチポチと返事をしていたのだが、

「おまたせー」

 頭上から声がして、顔を上げると、両手にトレイを持った閑が立っていた。

「あっ、ありがとうございます!」

 小春は慌てて立ち上がり、トレイを受け取って椅子に座る。

「いただきます……って」

 だが閑が自分の前に置いた、トレイの上を見て、絶句した。

「閑さん、それ全部食べるんですか!?」
「うん」

 閑はにっこり笑って、さっそく、トレイの上のポテトをつまみ、口に入れた。

 小春のトレイの上には、一般的なチーズバーガーのセットだけだが、閑のトレイの上には、ハンバーガーが三つ乗っていた。パテはダブル、チーズもダブル、パンが間に挟まっている、大きなものを三つである。


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