誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
(ハンバーガーみっつ! そしてポテトもあるのに、ナゲットも追加してる!)
「閑さん、男子高校生みたいな食欲ですね……」
とてもじゃないが、ハンバーガーはセットだとポテトは持て余してしまう自信がある。
小春は感心しながら、ちまちまとハンバーガーの包みをはがし、ぱくりとかぶりついた。
「高校生の頃は、この倍は食べてたよ」
「ええっ……! 男の人ってそんなに食べるんですか?」
目をむく小春を見て、閑はクスッと笑う。
「食べるね」
大きな手の、長い指先でポテトをつまみ、また、ひょいと口に入れる。
それから閑は、じっと、明るい茶色の瞳で、小春を見詰めながらかすかに微笑んだ。
おそらくお行儀が特段いいわけではないのに、閑はこういうとき、妙にさまになる。見た目が華やかな王子様系だからだろうか。
(ちょっと男の子っぽくなるというか……これって、ギャップ萌えというやつでは……?)
そんなことを考えながら、小春もハンバーガーを食べていたのだが、
「はい、あーんして」
突然、閑がポテトを小春の口元に差し出してきた。