雲の上には
季節は冬になっていた。
高校受験、である。勿論学校にさえ行けない私は、受験などできなかった。雨が降れば人形のように固まるし、学校という場所へどうしても行けない。レイプの事は父は知らなかったが、私の様子を見兼ねて、ある町のカウンセリングを受けるように進めてくれた。
後日、母、父、私の三人でそこへむかった。
カウンセリングは心理学者が行う。精神科と違い、保険がきかない。それでも、両親は私を救いたい一心で連れて行ってくれた。私も、その気持ちに応えたかった。
そこはとある雑居ビルの一室にあった。病院というより、普通の家庭のマンションというふいんきの部屋だった。
「学校へ行けないんです…」
父の手前、レイプの事は話せなかった。しかし、以前したリストカット、大量服薬での自殺未遂について話をした。ある程度話した後、隣の部屋へ私だけ通された。そこは薄暗く、一人用のベットがおいてあり、枕元にはヘッドフォンが置いてあった。先生いわく、催眠療法という治療を行うとの事だった。もちろん、両親にも説明はあった。私は男の先生とその暗い部屋に二人にされることに不安を覚えたが、治療のためにとベットに横になった。ヘッドフォンをつけると、心地いい音楽が小さな音で流れた。
「今から10数えて、私が手を叩いたら、今までで一番楽しかった記憶があなたの頭の中に映し出されます。」
そういい、10数えた後、パンっと手を叩く音がした。すると私の頭の中にはまだ幼い、幼稚園ぐらいの記憶がよみがえった。近所の幼なじみと仲良く庭で遊んでいる映像だった。
すると先生が、
「10数えて、私が手を叩くと、今一番辛い事があなたの頭の中に映し出されます。」といい、10数え、パンっと手を叩いた。私の頭の中にはレイプされた映像が映し出された。鮮明に。また人形のように何も考えられなくなった。
「次に10数えて、私が手を叩くと、今一番辛いことがあなたの中から消えてなくなります。」
そう先生がいい、また10数えたのち、手を叩いた。すると不思議なことにすぅっと消えたのだ。というより安心したのであろうか?とにかく私の心は安らいだ。涙が頬を伝うのがわかった。
高校受験、である。勿論学校にさえ行けない私は、受験などできなかった。雨が降れば人形のように固まるし、学校という場所へどうしても行けない。レイプの事は父は知らなかったが、私の様子を見兼ねて、ある町のカウンセリングを受けるように進めてくれた。
後日、母、父、私の三人でそこへむかった。
カウンセリングは心理学者が行う。精神科と違い、保険がきかない。それでも、両親は私を救いたい一心で連れて行ってくれた。私も、その気持ちに応えたかった。
そこはとある雑居ビルの一室にあった。病院というより、普通の家庭のマンションというふいんきの部屋だった。
「学校へ行けないんです…」
父の手前、レイプの事は話せなかった。しかし、以前したリストカット、大量服薬での自殺未遂について話をした。ある程度話した後、隣の部屋へ私だけ通された。そこは薄暗く、一人用のベットがおいてあり、枕元にはヘッドフォンが置いてあった。先生いわく、催眠療法という治療を行うとの事だった。もちろん、両親にも説明はあった。私は男の先生とその暗い部屋に二人にされることに不安を覚えたが、治療のためにとベットに横になった。ヘッドフォンをつけると、心地いい音楽が小さな音で流れた。
「今から10数えて、私が手を叩いたら、今までで一番楽しかった記憶があなたの頭の中に映し出されます。」
そういい、10数えた後、パンっと手を叩く音がした。すると私の頭の中にはまだ幼い、幼稚園ぐらいの記憶がよみがえった。近所の幼なじみと仲良く庭で遊んでいる映像だった。
すると先生が、
「10数えて、私が手を叩くと、今一番辛い事があなたの頭の中に映し出されます。」といい、10数え、パンっと手を叩いた。私の頭の中にはレイプされた映像が映し出された。鮮明に。また人形のように何も考えられなくなった。
「次に10数えて、私が手を叩くと、今一番辛いことがあなたの中から消えてなくなります。」
そう先生がいい、また10数えたのち、手を叩いた。すると不思議なことにすぅっと消えたのだ。というより安心したのであろうか?とにかく私の心は安らいだ。涙が頬を伝うのがわかった。