雲の上には
最寄の駅まで母が迎えに来てくれていた。ずぶ濡れの私を母はすぐに車に乗せて、家へとむかった。
「どうだった?」
「うん。楽になったよ。」
私は本当の事を言えなかった。母を父を悲しませたくなかった。また、あの日の姉のように自分を責める姿を見たくなかった。
「あのね、もう大丈夫だから来なくていいって。」
私は嘘をついた。
その日からまた「儀式」は始まった。でも、もう死のうとは思っていない。死ぬつもりはない。ただ、夜天井を眺めていると頭の中がぐちゃぐちゃになり、切りたくなるのだ。
すーっと一本。
真っ赤な血が流れてる。痛みを感じる。あぁ、私のモヤモヤは消えていく。
その日から「儀式」は毎晩行われるようになった。
季節は春を迎えていた。夜、ふとんに寝転がり、天井を見つめる。声が聞こえる。
「時間だよ…。」
私は頷き、鍵つきの一番上の机の引き出しからカミソリを取り出す。
すーっと一本。
あぁ、今日もやっと眠れる。
「どうだった?」
「うん。楽になったよ。」
私は本当の事を言えなかった。母を父を悲しませたくなかった。また、あの日の姉のように自分を責める姿を見たくなかった。
「あのね、もう大丈夫だから来なくていいって。」
私は嘘をついた。
その日からまた「儀式」は始まった。でも、もう死のうとは思っていない。死ぬつもりはない。ただ、夜天井を眺めていると頭の中がぐちゃぐちゃになり、切りたくなるのだ。
すーっと一本。
真っ赤な血が流れてる。痛みを感じる。あぁ、私のモヤモヤは消えていく。
その日から「儀式」は毎晩行われるようになった。
季節は春を迎えていた。夜、ふとんに寝転がり、天井を見つめる。声が聞こえる。
「時間だよ…。」
私は頷き、鍵つきの一番上の机の引き出しからカミソリを取り出す。
すーっと一本。
あぁ、今日もやっと眠れる。