明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
「あ……あぁっ」


丁寧に、そしてゆっくりと。
決して焦ることなく私を翻弄する彼は、何度も私が怖がっていないか確認するように目を合わせてくる。

情欲を纏ったその視線のせいでますます感情が高ぶり、いつの間にか背をのけ反らせて悶えていた。


「あや。……あや」


何度も私の名を口にする彼は、私の全身に舌を這わせる。


「あっ、あぁぁぁ……っ」


そして……私たちはひとつになった。

痛くて彼の腕を強くつかむ。
すると、あの傷に触れてしまった。


「ごめんなさい」
「大丈夫だから気にするな。お前のほうがつらいだろう?」


私をいたわる彼の言葉に首を振る。


「幸せ、です。行基さんに愛されて、私……」


彼の愛を一身に受け、感動のあまり続かない。


「俺もだよ。ずっとふたりで生きていこう」


行基さんは私の手を指を絡めて強く握り、ゆるゆると腰を動かし始めた。
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