明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
一ノ瀬さん、まさか章子さんのことを?
「章子、もう観念しろ。兄として、信明にならお前をやってもいい」
「行基さん、偉そうなことを言うのはやめてください」
完全に幼なじみの顔になった一ノ瀬さんはプイッと顔を背けるけれど、私はうれしくて章子さんに飛びついた。
「章子さん、素敵じゃない。章子さんは一ノ瀬さんのことはお好きじゃないの?」
「あや、そんなにはっきりと聞くな」
行基さんに口を挟まれ“しまった”と思ったけれど、それもつかの間。
「だ、大好きよ。ずっと前から」
章子さんのひと言に、行基さんがとうとう笑いだす。
そして一ノ瀬さんが「とんだ茶番だ」と顔を真っ赤に染め、章子さんの手を引いて立ち上がった。
「騒がせました。また来ます」
「おぉ、お幸せに」
笑顔でふたりを見送った行基さんは私の肩を優しく抱いた。
「あのふたり、相思相愛だったんですね」
「あぁ、章子が嫁に行く前に付き合っていたんだよ」
そうだったのか。
「章子、もう観念しろ。兄として、信明にならお前をやってもいい」
「行基さん、偉そうなことを言うのはやめてください」
完全に幼なじみの顔になった一ノ瀬さんはプイッと顔を背けるけれど、私はうれしくて章子さんに飛びついた。
「章子さん、素敵じゃない。章子さんは一ノ瀬さんのことはお好きじゃないの?」
「あや、そんなにはっきりと聞くな」
行基さんに口を挟まれ“しまった”と思ったけれど、それもつかの間。
「だ、大好きよ。ずっと前から」
章子さんのひと言に、行基さんがとうとう笑いだす。
そして一ノ瀬さんが「とんだ茶番だ」と顔を真っ赤に染め、章子さんの手を引いて立ち上がった。
「騒がせました。また来ます」
「おぉ、お幸せに」
笑顔でふたりを見送った行基さんは私の肩を優しく抱いた。
「あのふたり、相思相愛だったんですね」
「あぁ、章子が嫁に行く前に付き合っていたんだよ」
そうだったのか。