明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
「でも、内緒で付き合っていたから、章子の親父さんが縁談を持ってきてしまってね。その頃はまだ平社員だった信明は、貿易商の社長に身分も経済的にも太刀打ちできなかった。それからだなぁ。あいつが必死に働き始めて頭角を現し、俺の片腕としての役割を果たすようになったのは」
「悔しかったんでしょうか」
「そうだな。だが、取り返すつもりだったんだと思うよ」
彼にそう教えられ頬が緩んだ。
一ノ瀬さんはあきらめてはいなかったんだ。
「素敵ですね、一ノ瀬さん」
「お前、誰に目を輝かせているんだ?」
「え……」
彼が突然不機嫌になるので、目が真ん丸になる。
「俺の前で他の男を褒めるなんていい度胸だ」
「えっ、だって一ノ瀬さんですよ?」
弁解したのにも係わらず、行基さんは私の顎を手で持ち上げる。
「お前の目には俺だけ映っていればいい」
色気のある声でそう囁いた彼は、そっと唇を重ねた。
「悔しかったんでしょうか」
「そうだな。だが、取り返すつもりだったんだと思うよ」
彼にそう教えられ頬が緩んだ。
一ノ瀬さんはあきらめてはいなかったんだ。
「素敵ですね、一ノ瀬さん」
「お前、誰に目を輝かせているんだ?」
「え……」
彼が突然不機嫌になるので、目が真ん丸になる。
「俺の前で他の男を褒めるなんていい度胸だ」
「えっ、だって一ノ瀬さんですよ?」
弁解したのにも係わらず、行基さんは私の顎を手で持ち上げる。
「お前の目には俺だけ映っていればいい」
色気のある声でそう囁いた彼は、そっと唇を重ねた。