明治蜜恋ロマン~御曹司は初心な新妻を溺愛する~
私は店主の作業をたっぷりと観察したあと、移動した。
次に目に入ったのは籠屋さんだ。
ここでは一度籠を買ったことがある。
けれどもそのときは時間がなくて、すぐに帰ってしまった。
今日はまだ時間があるので、店主が見事な手つきで籠を編んでいく様子をじっと見つめる。
「いらっしゃい」
「あっ、ごめんなさい。客じゃないんです。おじさんが編んでいくのが速くてびっくりして」
客ではないと言ったのに、店主は嫌な顔をせず対応してくれる。
「もう慣れてるからね。やってみるかい?」
「いいんですか!」
うれしくて声が上ずる。
それから手ほどきを受け、少しだけ編ませてもらった。
「なかなかうまいじゃないか。だけど、きれいな着物を着たお嬢さんが、こんなことに興味を持つなんて珍しいねぇ」
しまった。
初子さんの代わりをしていることなんて、すっかり頭から飛んでいた。
「あはは。おじさん、ありがとう!」
私は曖昧に笑ってごまかし、店を飛び出した。
次に目に入ったのは籠屋さんだ。
ここでは一度籠を買ったことがある。
けれどもそのときは時間がなくて、すぐに帰ってしまった。
今日はまだ時間があるので、店主が見事な手つきで籠を編んでいく様子をじっと見つめる。
「いらっしゃい」
「あっ、ごめんなさい。客じゃないんです。おじさんが編んでいくのが速くてびっくりして」
客ではないと言ったのに、店主は嫌な顔をせず対応してくれる。
「もう慣れてるからね。やってみるかい?」
「いいんですか!」
うれしくて声が上ずる。
それから手ほどきを受け、少しだけ編ませてもらった。
「なかなかうまいじゃないか。だけど、きれいな着物を着たお嬢さんが、こんなことに興味を持つなんて珍しいねぇ」
しまった。
初子さんの代わりをしていることなんて、すっかり頭から飛んでいた。
「あはは。おじさん、ありがとう!」
私は曖昧に笑ってごまかし、店を飛び出した。