キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
飽きもせず何度も回転してふらつく足取りでもう一度下に降りて行くと、パパがすでに食卓に着いていた。コーヒーを片手に新聞を広げ、いつもと変わらない朝の風景。

一つだけ違うのは、私の姿。


私が降りて来た事に気付いたらしく、新聞の上から顔を覗かせる。



「おっ、かわいいじゃないか‼」


私の高校での制服姿を見て覗かせた目を垂れ下げ褒めちぎる。パパは一人娘の私が可愛くて仕方ないらしい。


持っていた新聞をテーブルに置き、デレデレと頬を緩ませるのを見ると笑えてくる。


それでも、今日はおしとやかに散々回った慣れた回転をし、いつも可愛がってくれるパパにサービスを施す。

ママも、満足げに微笑んでいてなんだか照れてしまった。





朝食を食べ終わり、いつもより気合いを入れて髪をセットした。

とはいえ、入学早々先生やこわーい先輩たちに目を付けられてはかなわないから、胸まである髪をコテで伸ばしただけ。

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