キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
有るわけないです‼
それよりも早く終わろうよ。

この後、サクラたちとカラオケに行き、夏休みに目一杯遊ぶ前の予行練習が控えてるんだから‼‼


『予行練習』なんていらないけど、要は遊びたいだけ。私の頭の中はすでにスカイブルーに染まり、始まってもいない夏休み色。


それはみんなも同じみたいで、アホな男子が「質問ありませぇーん」と浮かれ口調で答える。

徳山先生も一呼吸置き、誰からも発言がない事を確認し


「じゃあ、怪我のないよう過ごせよ。それでは終わりま……。なんだ栗生?」


徳山先生が私の横に座る陽亮を見て、不思議そうな顔をしている。私もその視線で、陽亮が高々と手を真っ直ぐ挙げているのに気付いた。


クラス中の視線が一点に陽亮に集まる。


ガタッ

みんなの注目の中陽亮が立ち上がり、徳山先生を真っ直ぐ見据えていた視線を私に向けた。


その視線があまりにも真剣で、目を合わせ続ける事が堪えられないのに何故だか逸らせない。
< 100 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop