キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて

先に視線を逸らしたのは陽亮。
コホンと一つ咳ばらいをし、

「みんな注目!あっ、もうしてるか」


ポリポリと頭をかく陽亮をみんなが息を飲み、続く言葉を待つ。


私も自分ではわからない緊張感に襲われ、徳山先生でさえも陽亮のこの行動に何も言わず見守っている。

すうっと陽亮は息を吸い込み、何か言うのがわかった。


「この一年生が終わるまでに、鷹居アズサを俺のもんにするからヨロシク!誰も手ぇ出すんじゃねえぞ‼」


ビシッと手を真っ直ぐ前に伸ばし、ブイサインを作りながら陽亮は宣言する。



エーーーーーー!?
なっなっなっ何をおっしゃってるんですか!?


みんなの注目が陽亮から私へと移る。


『俺のものにする』ってどーゆー事？？


クラス中が一気に悲鳴や冷やかしの声で騒がしくなる中、何がいったいどういう事!?と、一人重度のパニック状態。

陽亮を見ると、満足そうにニコニコしている。


私は開いた口が塞がらないという経験を人生初めてした。

ポカンと間抜けに開いた口のまま陽亮を見てどうしたらいいかわからず、席の近い順から、ツバキ、カエデ、サクラに視線を移す。