キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
そうだったんだ……。

かなーりわかりづらいけれど、カエデもわざと陽亮の告白(らしきもの)に、私が気負わないよう笑いに変える事で私の気を逸らしてくれていたんだね。


うん。カエデはそういうヤツだ。

ツバキだってそうだ。
普段大人びているから、カエデと一緒になってはしゃいでいるから変だとは思ったけど。


私の知らない所で、私を気遣うやり取りをされていた事が今は嬉しい。
今までなら自分だけ知らないなんてちょっぴりジェラシーを感じ、ロンリーな気分になっていただろうけど今は違う。



明日から夏休みを控え、みんなの友情を感じられた良き一日。陽亮の事でパニクっていた頭と心が穏やかになる。


「みんなありがとーー‼」


ツバキからマイクを引ったくり、大声で叫ぶとキーンとスピーカーからは嫌な音がした。


「煩い~~」


カエデは手で耳を押さえながらも、みんなの顔は清々しい笑顔。


夏休みが一層楽しみになってきた。
きっと、みんなと一緒なら何でも乗り越えられる。辛い事も笑い合えると確信出来たから――。


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