キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて


夕飯に間に合うように帰宅完了。
でもその前に、この時期待ち受ける試練を突破しなければ……。


ママが、『渡すものあるでしょ?』と言わんばかりに手を指し伸ばしている。


「どうぞ、お納めくだせー」


ははーっと時代劇さながらの一場面。
でも私が素直に渡す訳は、飛び抜けて出来の悪かった数学が初めて五段階中、四を取ったから。


「今日はアズサの好きな物ばかりだから、期待してね」


成績表に満足したママは鼻唄交じりでキッチンへと踊るように戻って行く。


ヤッター‼
今回ばかりはお咎めなしだったから、次陽亮に会ったらお礼を言わなきゃな。



ママの言った通り夕飯は完全に私の好きな物で統一されていて、ダイエット中だっていうのに残すのはこの子達に悪いよねって言い訳を作り、ペロリとたいらげた。

そして後悔……。


ヒィッッ‼
三キロも増えた!


汗をかいても運動をしても、頑固な贅肉・脂肪達は私から離れようとしない。

海へ行く事を決めてから、欠かさず腹筋を毎晩しているにも関わらずお腹周りのブヨブヨとした感触が無くならない。
< 108 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop