キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
スクッと立ち、見られてる訳でもないのに仁王立ちで腰に手を当ててちょこっと高飛車な感じで言い放つ。


『予定って?』


私の言い草にも動じないで、優しげな声を出す陽亮。


ゔ。手帳のカレンダーには海へ行く八月の頭のところにしか予定は埋まっていない。

でも、陽亮の誘いに乗る気がしなかったので、嘘を付いてしまった私は何て答えればいいのか言葉が見付からずにいた。


「サクラ達と海へ行ったり、色々と忙しいのっ‼‼」


とりあえず、ホントの事を言ってごまかしてみる。『色々』とか言っておけば、あとは何とかするのみ!


『へ~、海行くんだ。いつ?いつ?』

「八月だけど……?」


ヤバイなぁ。
あんまり詳しく聞かれるとボロが出そうで、曖昧に答える。


『八月のいつ?』

「……教えないよ」

『じゃあさ、都合が悪い日はいつ?』

「え?二日だけど……」

『その日に海に行くの?』

「そうだよ」

『へ~、いいこと聞いちゃった』


あっ、しまった。
誘導尋問に引っ掛かっちゃってまたまた迂闊な発言を、もしかしてもしかしなくてもしちゃったみたい。

なんで私ってこうなんだろ。
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