キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて

*****

「それで、あれから陽亮君から電話はあったの?」


夏休みに入り五日後。
今日はツバキとカエデは彼氏とデートの為、サクラと二人で水着を買いに出掛けた途中、暑さで焦げそうな体を冷ます為に入ったファーストフードの店で陽亮から電話があった事などを話していた。


「ううん。あれからは無い」


チューっとイチゴ味のシェイクを飲みながら、かれこれ一時間居座っている。


さすがの私も夢の事は話せないでいる。
妄想なのか、欲求なのか……。

違うもんっ‼欲求とかじゃ決してない!はず。


雑念を追い出すようにブンブン頭を振る私を、不思議な顔で見つめるサクラ。


「どうしたのアズサ」

「あっ……、イヤ何でもないよ」


アハハと笑ってごまかしてみる。

危ない危ない。
ハタから見れば危険人物の私を自分で制する。
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